令和3年 院長年頭所感

 明けましておめでとうございます。


 皆さんご存じの通り、昨年1月に日本で新型コロナウイルスが発生し、これまで経験したことのない流行となり、医療、経済、果ては日常生活にまで大きな打撃を受けました。最初は中国・武漢の話と考えて、このような世界的なパンデミックになるとは考えていませんでした。

 変動はありましたが、12月下旬になっても新規感染者は減少する気配もなく、市中感染症、家庭内感染症の様相を呈しています。個人が三密に注意して、手洗い、マスク、周囲の消毒を励行するだけではこの流行を抑えることはできないのではないか、個人の行動をもっと抑制しなければと考えざるを得ません。一方でワクチンの開発が進んでいて、今年の初めには日本でも接種できるようになる明るい兆しが見えます。迅速診断、ワクチン、そして治療薬が揃い新型コロナウイルス感染症が一日も早く終息することを願ってやみません。


 コロナ禍のなか私が気になった報告がなされました。2020年に産まれる子どもの数が84万人台半ばで、この10年間で20万人も減少しているそうです。日本の少子化に歯止めがかかりません。さらに、コロナ禍の影響を受け、2020年の妊娠届出数は前年比大幅減で推移しているそうです。コロナ禍は婚姻数の下振れも招いていて、2021年以降さらに少子化が加速する状況です。

 コロナ禍による少子化の加速を防ぐためには、経済支援を含め、若い世代が安心して結婚、出産、子育てができる社会環境を構築することが不可欠だと思います。

 国を挙げて不妊治療に力を入れるとありますが、まずは結婚するカップルが増えることが大前提です。少子化が続くと私と同じ小児科医を目指す若手の先生方も増えないのではと危惧します。


 昨年の日高クリニックは、コロナ禍での受診控えの影響なのか、内科、小児科の患者さんが減りました。在宅部門のグループホーム、デイケア、認知症対応デイサービスは順調に利用者を増やしてくれました。在宅部門も外来も厚生労働省からの感染対策マニュアルに則って予防対策をしていますので安心して御利用してくださいね。


 2021年は丑年です。丑年は粘り強さを持って、着実に物事を進めていく年と言われます。去年から続くコロナ禍と言う難局を乗り越えるのに適した年であると思います。
 皆様と一緒にこの荒波を乗り越えていきましょう。この新しい年がより良き年になるように祈念しまして、年頭の挨拶とさせていただきます。

2021年01月04日