令和2年 院長年頭所感

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年は平成31年で始まり、5月1日の新天皇即位日からは令和1年となる節目の年でした。
 10月から消費税が10%に増税になったことがかすむほど、新天皇、新皇后を祝う式典が催され、希望に満ち溢れた令和1年となりました。
ただ台風や異常豪雨による自然災害が頻発して、未だ復興に至ってない地域が残っているのも事実です。高知県にも台風の上陸がありましたが、幸いにも大きな被害には進みませんでした。
 そんな中、日高クリニックは、前年度に比べて外来診療部門も介護保険部門も順調に経過しました。特にクリニック2階の老人デイケアの利用者が1日平均3人増加していて、これはまさしく、外来もしくは日高クリニック併設の居宅介護支援事業所からの紹介が増加したわけで、三つの部署が協調してプチブレイクしたようでした。2棟あるグループホームもほぼ満室状態を維持し、利用者に寄り添った介護を提供してくれました。

 話は変わりますが、今年の10大ニュースにも入らないかもしれませんが、私の中での特記すべき出来事は、あのフランシスコ・ローマ教皇が、ローマ教皇として38年ぶりに日本訪問をされたことです。教皇はかねてから核兵器廃絶を訴えており、被爆地である長崎、広島から平和へのメッセージを発信しました。今回はそれに加えて、人権問題、環境問題、貧困問題等にバチカンと協力して対応しましょうと訴えました。前回のローマ教皇の日本訪問は、私が大学生の時で、故ヨハネ・パウロ二世が、ローマ教皇として初めて訪れました。
38年前の寒い2月、長崎でも珍しく雪の降っている中、私は、浦上天主堂へ行かれる教皇の車を沿道から大勢の市民と一緒に見ていました。世界に約13億人の信者を抱えるキリスト教最大の教派、ローマ・カトリック教会のトップで、「キリストの代理人」とも位置付けられています。イメージ的には日本における天皇のような存在の方が、目の前を通り過ぎるのを見て、思わず手を合わせずにはいられませんでした。

 故ヨハネ・パウロ二世が日本で残した平和のメッセージで心に残っている内容を新年の挨拶に代えさせていただきます。
「戦争は人間の仕業です。戦争は人間の命を奪います。戦争は死です。」
「過去を振り返ることは、未来に責任を持つことだ。」

 追伸 新年の挨拶としては、少しずれた内容になったかもしれません。
 11月中旬に、遅い夏休みをもらって、ヨハネ・パウロ二世の出身地であるポーランドへいってきました。敬虔なカトリックの国で、国民の90%以上がカトリック教徒です。教会を含む至る所にヨハネ・パウロ二世の写真や絵、銅像を見かけました。1980年代のポーランドをふくむ東ヨーロッパの民主化運動の精神的な支えになったといわれていて、東西冷戦の終結に貢献したともいわれています。頭の中がショパンとヨハネ・パウロ二世一色になってまだ抜けきれていません。

2020年01月04日